「GLP-1」というホルモンをご存知ですか?GLP-1は体内で食事をすると分泌され、食欲や血糖値を調整する役割を持っています。このGLP-1を活用した新しい肥満治療法「GLP-1肥満治療」が、近年注目されています。従来のダイエット法と異なり、食欲をコントロールすることで適切なサポートのもとで効果的な減量を目指せます。
肥満が長く続くと、生活習慣病や心血管系のリスクが高まり、健康に深刻な影響を与える可能性があります。これらのリスクを避けるためにも、早めに対処することが必要です。
VERDE CLINIC お茶の水では、自費診療限定でGLP-1を用いた肥満治療を提供しており、初診からオンラインでの診療が可能です。御茶ノ水駅から徒歩3分のアクセスの良さで、忙しい方でも通いやすい環境です。ぜひ一度、ご相談ください。保険診療は対応しておりません。
GLP-1肥満治療の概要
GLP-1には血糖値の急上昇を抑える働きがあり、以前から糖尿病の治療薬として使われてきました。GLP-1には食欲を抑制したり、胃の動きをゆっくりにして満腹感を長持ちさせたりする働きがあることもわかってきました。
そこで、このGLP-1を肥満治療に応用しようという試みが始まりました。これが「GLP-1肥満治療」です。GLP-1肥満治療は、従来の食事療法や運動療法とは全く異なるメカニズムで体重を減らします。
対象となる方
食事制限を頑張っても体重が減らなかったり、一時的に体重が減ってもすぐに元に戻ったりしてしまうなどの経験はありませんか?これは決してあなたの意志が弱いからではありません。
GLP-1肥満治療は、従来の食事療法や運動療法とは全く異なるメカニズムで食欲をコントロールするため、以下の悩みを抱える方にも効果が期待できます。
- BMI(体格指数)が高くて、内臓脂肪が多い方
- 肥満に関連するリスク(糖尿病、高血圧、脂質異常症)が疑われている方
しかし、GLP-1肥満治療は、すべての方に適しているわけではありません。以下の方はGLP-1肥満治療を受けられないため、事前に確認しておきましょう。
- 妊娠中の方や授乳中の方
- 妊娠希望の方
- 1型糖尿病の方
- 膵臓の病気をお持ちの方
GLP-1受容体作動薬による治療は、健康保険が適用されない自由診療となるため、治療費が高額になる可能性があります。治療を受ける際には、医師に相談し、ご自身の体質や生活習慣、費用などを考慮したうえで、慎重に判断しましょう。
期待できる効果、リスクおよび注意点
ここでは、期待される効果、気をつけるべきリスク、注意点などについて触れます。
期待できる効果
期待できる効果は以下のとおりです。
食欲を抑える効果
GLP-1は、脳の満腹中枢に働きかけて、食欲を抑える効果があります。そのため、食事の量を無理なく減らすことができ、リバウンドしにくい体作りを目指せます。
従来の食事療法では、強い意志力で食欲を抑え続けなければなりません。結果、ストレスとなり、ダイエットが長続きしないケースも少なくありませんでした。
GLP-1肥満治療では、薬の力を借りて食欲をコントロールすることで、ストレスを軽減し、無理なくダイエットを継続できます。
血糖値の上昇を抑える効果
GLP-1には、血糖値の上昇を抑える効果もあります。そのため、糖尿病の予防や改善にも効果が期待できます。
治療によるリスク
GLP-1肥満治療は、一般的に安全性が高い治療法ですが、他の治療法と同様に、いくつか注意すべき副作用があります。主な副作用としては、吐き気、便秘、下痢、腹痛などがあります。
- 吐き気:治療開始直後によく見られます。GLP-1が胃腸の動きを抑制することで起こると考えられており、多くは一時的なものです。吐き気が強い場合は、吐き気止めを処方もできるので、ご安心ください。
- 便秘:水分摂取が少ない場合に起こりやすいです。便秘が続く場合は、食事の内容を見直したり、便秘薬を処方したりするなどの対応が必要です。
- 低血糖:GLP-1には血糖値を下げる働きもあるため、糖尿病治療薬を併用している場合に起こることがあります。低血糖の症状としては、冷や汗、動悸、手の震え、意識レベルの低下などがあります。低血糖が疑われる場合は、すぐにブドウ糖などを摂取する必要があります。
これらの副作用が出た場合は、我慢せずに医師に相談してください。
注意事項・禁忌
GLP-1肥満治療は、多くの患者さんにとって有効な治療法ですが、残念ながらすべての方に適応できるわけではありません。以下のような方は、GLP-1肥満治療を受けることができないか、または注意が必要となる場合があります。
- 妊娠中・授乳中の方:GLP-1肥満治療薬の胎児への影響は、まだ十分に解明されていません。
- 重い腎臓病・肝臓病の方:GLP-1肥満治療薬は、腎臓や肝臓で代謝されるため、重い腎臓病や肝臓病をお持ちの方は、薬が体内に蓄積し、副作用が強く出る可能性があります。
- 過去に膵炎になったことがある方:GLP-1は膵臓にも作用するため、過去に膵炎を起こしたことがある方は、GLP-1肥満治療薬によって膵炎が再発するリスクがあります。
- 1型糖尿病の方:GLP-1肥満治療薬は、インスリン分泌を促進する作用があるため、1型糖尿病の方が使用すると、重度の低血糖を起こす危険性があります。
- 消化管疾患のある方:GLP-1肥満治療薬は、胃腸の運動を抑制するため、胃腸の動きがもともと悪い方は、消化不良や便秘などの症状が悪化する可能性があります。
GLP-1肥満治療を受けるにあたって、不安な点や気になることがあれば、お気軽に医師にご相談ください。
よくある質問
GLP-1肥満治療に関する質問にお答えします。
Q1:GLP-1受容体作動薬はどのように体重減少を促進するのですか?
GLP-1受容体作動薬は、体内で自然に分泌されるGLP-1ホルモンの働きを模倣します。これらの薬剤は主に以下の方法で体重減少を促進します。
- 食欲抑制:脳の食欲中枢に作用し、満腹感を増強します。
- 胃排出遅延:胃の内容物が小腸に移動する速度を遅くし、長時間満腹感が持続します。
- インスリン分泌促進:血糖値の調節を改善し、代謝を最適化します。
- エネルギー消費増加:褐色脂肪組織の活性化により、エネルギー消費が増加する可能性があります。
これらの作用により、カロリー摂取が減少し、エネルギー消費が増加することで、持続的な体重減少が達成されます。
Q2.GLP-1受容体作動薬治療の一般的な副作用は何ですか?
A2:GLP-1受容体作動薬治療では、以下のような副作用が報告されています:
- 消化器系症状:最も一般的で、吐き気、嘔吐、下痢、便秘などが含まれます。
- 頭痛:特に治療開始時に発生することがあります。
- 注射部位反応:注射剤の場合、注射部位の発赤や痛みが生じることがあります。
- 胆石症:急速な体重減少に関連して発生するリスクがあります。
- 膵炎:まれですが、重篤な副作用として報告されています。
これらの副作用の多くは、治療の初期段階で発生し、時間とともに軽減する傾向があります。また、用量を徐々に増やすことで、副作用のリスクを軽減できる場合があります。
Q3.GLP-1受容体作動薬治療はどのくらいの期間続ける必要がありますか?
A3:GLP-1受容体作動薬治療の期間は個人によって異なりますが、一般的には長期的な治療が推奨されます:
- 初期治療:通常3〜6ヶ月間の治療を行い、効果を評価します。
- 継続治療:効果が見られる場合、1年以上の継続が推奨されます。
- 維持療法:目標体重に達した後も、リバウンド防止のために継続が必要な場合があります。
- 個別化:患者の反応、耐性、生活習慣の変化に応じて調整します。
治療の中止は徐々に行い、急激な中止は避けるべきです。また、治療中止後も健康的な食事と運動習慣を維持することが重要です。治療期間は医師と相談しながら決定し、定期的な評価と調整が必要です。
Q4.費用はどのくらいかかりますか?
当社では、このページ下部に記載されている料金表以上の金額を請求しない、わかりやすく安心できる料金体制を取っております。詳しくはそちらをご参照のうえ、お問い合わせください。
参考文献
Daily Oral GLP-1 Receptor Agonist Orforglipron for Adults with Obesity